
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 このたび、一般社団法人地域人財基盤は、本日6月11日をもちまして、創業5周年を迎えることができました。 これもひとえに、日頃よりご支援を賜っている弊社ホームタウン地域やパートナーの皆さまのおかげと、心より感謝申し上げます。
当社の創業は、コロナ禍初期で世界中が混乱していた時期に遡ります。当時は人流が全面的に止まっていた時代。様々なサービスがリモート型へシフトする中、私たちはあえて「ひと」が動かないとできない領域の仕事にこだわり、苦しい時期を耐えて参りました。いま振り返ると、かなり無謀な挑戦だったと思いますが、厳しい環境の中、「集客」や「採用」といった難易度の高い地域課題に取り組むことで、「ひと」が動く動機の本質に向き合い、その領域で試行錯誤できたことは私たちの大きな資産になったと感じています。
2025年、人の動きは完全にコロナ前に戻りました。そして、訪日外国人旅行者数が過去最大を記録するなど、世界中の人々が日本中を行き交うことによる経済効果が、確実に地域に好循環を生み出し始めています。
一方、世界はというと、各地での戦争や自国第一主義の傾倒などから、不確実性が高まっています。まだ、危機として目前に迫っていないものの、今日の顧客や取引が明日も続く保証はなく、コロナ禍の時のように、いつ何時、自分たちの売上がゼロになってもおかしくないリスクも顕在化しつつあります。そして、日本国内は労働者の流動性が高まる一方で、人材不足が深刻の極みにあり、企業活動そのものを難しくしています。
こういう時代だからこそ、私は強い「組織」を作る必要があると感じています。強い「組織」とは、強い「事業」に支えられた組織です。そして、強い「事業」とは、既存の流通にぶら下がり、依存する旧態依然とした事業ではなく、顧客を確実に捉え、直接的な対話やアプローチを通じてマーケットの共感を集め、開拓し、自ら流通をグリップしながら、常に変化や修正ができる状態にある事業と考えています。そして、それを支えるのは紛れもなく適応力がある強い「個」です。ただ、その強さは、頭の良さやスキルで、決まるものではありません。
私は長年の人材支援活動により、地域で活躍できる人材に共通する要素として、J K K C G(情熱・気合・根気・コミュニケーション・現場力)が大切であるということを学びました。笑われるかもしれませんが、これらは技術や経験よりも優先します。どんな困難にも前向きに取り組み、対話と実行で乗り越えていく人材。これは私が過去に経験したプロスポーツの世界で活躍できる選手に通じるものがあります。私たちは、今後も技術だけでないそのような人材を発掘、育成・強化し、地域に供給していく所存です。
私たちはこれからも、「ひと」と「地域」の可能性を信じ、地域が稼げる未来をつくっていけるよう、私たちのホームタウン地域の課題の真ん中に立ち、皆さまと共に挑戦を続けてまいります。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人地域人財基盤
代表理事 田藏大地